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教室に灯油を撒いた生徒。
聞けば、中学時代から有名な悪だそうで、そのクラスへ行くのは恐ろしかった。
なるべくかかわりになりたくなく、当然そういう気持ちは生徒たちにもわかる。
私だけでなく、すべての先生はそういう態度だったのだろう。
1年の終わりには、クラスは全くやる気のない死んだようなクラスになっていた。
そして、私の精神もかなり疲れてきていた。
2年目を迎える前に、同時に採用された新卒は辞めた。
当然だ。
私も辞めたかった。
しかし、講師とはいえ、底辺高とはいえ、先生という立場に親が舞い上がっていた。
知らぬ間に?結納が済み、年明け早々の連休で結婚式。
全然自分事と思っていない私は、結婚届を書いた記憶も、出した記憶もなかった。
それが正確に理解できたのは、子どもの関係で戸籍を本籍から取り寄せた時だ。
結婚式から4日後の届日。
結局、私の心は2年目をギリギリで過ごしていた。
校長から、3年目は受け持ちクラスを定時の女子生徒達という提案があったが、断った。