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突然の連絡だった。
1週間後に手術が決まっていた外科から。
痔の手術。
パチンコにはまっていた。
朝から夕方まで。
当然尻も悪くなるよ。
自業自得。
薬も一時。
翌日にはまた出かけるわけだから。
そして、とうとう病院を受診した。
恥を忍んで。
すると、手術しよう、ということに。
それからだ、驚いたのは。
入院リストに小型の毛布とある。~手術室が二階なので、階段を看護師が毛布担架で運ぶ。????ええええ。
そういえば、エレベーターが・・・・ないのだ。
どういううこと??
私は175CMだぞ。太ってはいないが75kg。
看護師に悪いなあ、と思っても後の祭り。
そうしたら、突然の電話。
院長が死亡手術室たので、手術は中止です。
希望なら他の病院を紹介します。
いえいえ、それはそれは。
あとは、こちらで考えます。と切った。
おいおい、こんなことがあるのか。まただよ。
死ぬことないだろうに。
結局、痔の方は、パチンコを控えるとか時短で過ぎていった。
私は乗り切ったかに見えた。
妻が、異常にはまりだしたのは、仕事のストレスか私へのストレスか。
相当な頻度で、閉店まで打っているようになった。
貯金も崩した。
もともとは彼女が稼いだものだから。
そして、稼ぎだけでは足りなくなるのは世の常、ギャンブルの必然。
私が止めても引き続き打ち続け、店まで金を持ってこいと言うようになった。
どれ程カードに借金があるか不明。
看護師は高収入だから、カードは増える。
それでも、やがて横の連絡で上限に達したのだろう。
銀行管理で、精算することとなった。
私も呼び出されて、少額だが残っていたカード残高90万と彼女のを合わせ、さらに義母の住宅ローン残高を合わせて、月々返済額決定した。
14万円。特に厳しい額ではない。
すでに子どもは独立して二人の生活だけ。
やがて、仕事上の立場も上を引き受けて、パチンコとは少しだけ距離取るようになったと思っている。正確には不明だが。
そんなさなかにも人は死んだ。
高校役員で度々連絡が入る人の旦那が、嫉妬から家庭不和。
仕事辞職、老親殺す、自分も自殺。
流石に田舎でこれは大事件です。
誰もこの話題には触れませんが、私と役員が同乗しているのはどこかで見られているはず。何もないから、気にも留めていなかった。
タイプでなかった、それだけなのだが。
周囲はそう思わなかったということだ。
旦那に告げ口するのはいるということ。
いやあ、その時思った。
タイプでなくて良かったと。
好意を抱くようなタイプだとヤバかった。
パチンコからも手を引き、女性からも距離を取り、世間からも隠れるようになると実に平穏な日々が待っていた。
もう、死ぬものはいないだろうと、安心していた。