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突然、長女から呼び出された。
京都に来て欲しい。
おいおい、来てほしいといっても、駅からTAXで1時間以上かかるはず。
第一、超高級店だろ。
3月に就職が決まったというから調べたら、小説のネタの中にも出てくる。
ええ、あそこが予約取れたの??
しかも、何やらよくわからんこだわりの店。
東京からベンツ飛ばして…などという記述もあるし。
首ならクビでいいし、もしかして莫大な損害請求??
不安いっぱいで、娘から指定されたハイヤーに電話した。
おいおい、ハイヤーってなに??
田舎の人間には縁がないぞ。
数組しか泊まれない離れに自分達だけしか客がいない。
(いないように思えるだけだったのか・・・)
お茶を飲み、風呂も済ませて、食事をと案内されたところは、20人は座れそうな大きな部屋。
床の間を見るといわくありげな古そうな掛け軸。
花の花瓶も古そう。
ふすま絵は季節の植物を先取り。
ひええ、座布団が床の間の前だよ。
死刑宣告なら手紙でして欲しい感じ。
座って少ししたら、若女将という美人がふすまを開けて挨拶する。
もう、心臓が止まりそうな緊張感。
北海道のホテルへ出向して欲しい、という話だったが、キツネにつままれたような話。
それって、左遷??
それなら本人だけでいいよ。
呼ぶな。
結局、1年後、北海道へも呼ばれた。
これはもの凄く物入りで、遠いし、大変なホテルになっていて、もうこりごり。
長女には幼稚園時代から振り回されっぱなし。
これには前段も後段もあり、現在進行形でもある。
関わりたくないけど、降りかかってくる。
まさに魔女。
災いの使者。