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私とつき合ってもいいことはありません。

 

そう、言ったのに。

 

私は、生きていくことを止める、そればかりを考えていたのだから。

 

どうしてそういうことになったのか、今でも肝心なことは思い出せない。

 

トーワさん、先輩と付き合ってみませんか。  

え、?

先輩、トーワさんのこと気にしてましたよ。

??

仕事ですから。

 

その先輩と呼ばれている彼女は、時々しか見かけない人だった。

他の人たちは毎日全員いるのに。

なぜ、彼女だけ見かけないことが多いのか。

 

だから、後輩のお節介も深入りすることなく断ったのだ。

 

ねえ、トーワさん、映画に誘ってあげてくださいよ。

??

得意先なので、あまり無下にすることも出来ず、会社の中で手に入った試写会の券を渡した。

よかったら誰か行きませんか、と。

 

その時には、やっぱ先輩だけいなかったのだ。

なぜ、いつもいない方が多いのだろう??