~14
事件は突然に。
店を出した。
いい加減他人に使われるのがいやになり、食えるだけ利益出ればいいや、という感じ。
ちょうど小学生・中学生がアイドルなどのグッズに飛びついてきた時代。
ファンシーな小物と文具と駄菓子。
結構賑わった。
有線放送の営業がすぐに来たので契約。
アイドルの曲をリクエストしてくれと入りびたる少女たち。
ちょっとよからぬ妄想も抱きつつ、グッと自制して我慢我慢。
一人怪しいサインを出す子がいて、危うく道を踏み外すところだった。
まだ、携帯もない時代でよかった。
電話どころか写真まで送れる今の環境だと、相当やばかった。
小学生も5~6年生になると、もう立派な女ですよ。早い子は。
中学生だと、ホントこちらが遊ばれている感じで、たじたじ。
閉店間際にやってきたマユミ(仮名)は、トイレを貸してくれというので、店の奥へ案内して閉店準備をしていた。
しかし、なかなか出て来ない。
大丈夫か、と声かけても返事がしない。
もう一度、どうかしたのか。と声かけた。
すると、ドアが開き、手を引っ張られた。
抱きつかれてしまった。
どうする?おれ。
判断を誤るな。
彼女が店に入るのは目撃されているはず。
すぐに出さないとマズイ。
身体を離して、帰れと入り口まで押し出しながら言う。帰れ。
いやあ、本当に危ない。
変な噂が立つとアウトだ。