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事件は突然に。

 

店を出した。

いい加減他人に使われるのがいやになり、食えるだけ利益出ればいいや、という感じ。

 

ちょうど小学生・中学生がアイドルなどのグッズに飛びついてきた時代。

ファンシーな小物と文具と駄菓子。

結構賑わった。

有線放送の営業がすぐに来たので契約。

アイドルの曲をリクエストしてくれと入りびたる少女たち。

ちょっとよからぬ妄想も抱きつつ、グッと自制して我慢我慢。

 

一人怪しいサインを出す子がいて、危うく道を踏み外すところだった。

 

まだ、携帯もない時代でよかった。

 

電話どころか写真まで送れる今の環境だと、相当やばかった。

 

小学生も5~6年生になると、もう立派な女ですよ。早い子は。

中学生だと、ホントこちらが遊ばれている感じで、たじたじ。

 

閉店間際にやってきたマユミ(仮名)は、トイレを貸してくれというので、店の奥へ案内して閉店準備をしていた。

 

しかし、なかなか出て来ない。

大丈夫か、と声かけても返事がしない。

 

もう一度、どうかしたのか。と声かけた。

すると、ドアが開き、手を引っ張られた。

 

抱きつかれてしまった。

 

どうする?おれ。

 

判断を誤るな。

 

彼女が店に入るのは目撃されているはず。

すぐに出さないとマズイ。

 

身体を離して、帰れと入り口まで押し出しながら言う。帰れ。

 

いやあ、本当に危ない。

変な噂が立つとアウトだ。